93歳、ばあちゃんの驚愕の昔話(洗濯)
今日もうちのばあちゃんの昔語りです。
ピッピロピロリーと洗濯機の終了のメロディが聞こえて、洗濯を干していると、ばあちゃんがやってきました。
「洗濯機か。世の中便利になったもんやなあ。」
今日初めて洗濯機を見たわけでもないのに、ばあちゃんはしみじみとそう言って話し始めます。
「昔は全部、手で洗ったもんやわ。」
「えー? 手で洗うの? 1枚1枚?」
「そうそう。大きなタライに洗たく板で、ゴシゴシ洗うんやよ。」
ばあちゃんは右手をグーにして大根おろしをするような仕草をします。
昔話で桃太郎のおばあちゃんが川で洗濯してるあれだ!
(*・▽・*)!!
あんなの昔話の中だけかと思っていたのに、ほんとに使ってた人がいるなんてなんかすごい。でも大変そう。
食器を洗うだけでも大変なのに。
「特に大変なのは、赤ん坊のおしめじゃなあ」
「おしめ? おしめって、赤ちゃんのオムツ?」
「昔は今みたいな紙オムツなんてありゃせんかったからの、布のおしめやったんや。
だから赤ん坊がおる家は毎日山のように洗濯したもんやて」
「ええ? 布のおしめ? うそでしょ?」
思わず顔をしかめてしまいます。
確かに、使い捨ての紙のオムツなんてぜいたくな物が昔にあるわけないし、洗ってまた使うしかないわけなんですけど。
「一日に何べんも何べんも替えてやるからの。
赤ん坊のおる家には、おしめがすだれのようにザーッと並んでおったもんや。
洗たくだけで何時間もかかったわあ。」
「はー(*。*;)」
その大変さを想像して、勝手にため息が出てしまいます。
もし、自分がその時代に母親だったら。
布のオムツがよごれて泣く赤ちゃん。
それを取り替える私。
山のような洗たく物を一枚一枚ゴシゴシ洗う。
干されて、ずらりと並んだおしめの布。
雨が降って来たらあわてて取り込まなきゃいけない。
乾燥機もないのに雨の日はどうやって乾かすんだろう。
家の中の仕事は掃除も料理もあるのに、洗濯だけで一体何時間かかるんだろう。
無理だ。絶対無理!
「ばあちゃん、すごい大変だった?」
「そりゃあそうや。冬は水が冷たくて指が切れて、それはそれは痛かったのう」
当たり前な質問にも、ばあちゃんは笑って答えます。
「でも、村の皆がそうやったから、大変やとか思わんかったよ。
今の子達に手で洗えなんて言っても無理やろうけど、昔は手で洗うのが普通やったからのう。」
「へえー、すごいねえ。」
すごい。
こんな一言では言い表せないけど、すごいです。
なんか・・・
新しい洗濯機欲しいなあ、
次買うならドラム型かな、
乾燥機もついてるやつあるって!
とか言っててごめんなさい!!!
でも文明の利器は素晴らしいですね!
ありがとうございます、洗濯機。
なくてはならない家電です!
なんか毎回、ばあちゃんの話を聞いた後は、現代に生まれてよかったと思ってしまいます。過酷な時代を生きてこられた方々、本当にすごいです。